JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
HAGAKI
研究者コラム

インターメディアデザイン その八
Intermedia Design 8

 現在開催中の特別展示「PHOTO LOGIC(フォトロジック)- 田中良知×IMT」についてお話ししようと思う。この企画を立ち上げるにあたっては二つの思いがあった。一つは、写真というものが、スマートフォンやSNSの普及によって、いまや誰もが使用する日常に浸透したツールであるにも関わらず、プロの写真家による写真作品となれば、フォトギャラリーか写真専門のミュージアムに出向かなければ、ほぼ接する機会がない。もちろん職業的な領域や趣味嗜好の違いはあるにせよ、この時代だからこそ、プロの写真とは何かを問う機会があってもよい、そうあるべきではないか思った。もう一つは、この3年に及ぶコロナ禍によって、人々のあらゆる活動が制限され、さらにはマスク生活によって、顔の半分を覆われることになり、精神的にも閉塞感を抱くようになったこと。とくに子供たちと社会との接点は希薄になったと思う。そんな状況下で、写真をテーマしたコミュニケーションが図れないか、そんな思いに至るきっかけとなったのは、ポートレイトを得意とする田中良知氏の写真に接したことであった。子供から長老まで、その屈託のない表情は、どこか新鮮で、なぜか癒された。また、そんな写真を撮る田中氏の技法や信念とは何か、この機会をIMTで設けたい。とくに子供たちに観てもらいたい。会期を夏休みに当てたのもそういう理由である。主に学術の領域で展示を行なっている当館として、今回は、芸術文化の発信と体験、そして社会貢献を眼下に置いたものである。

関岡裕之(東京大学総合研究博物館特任准教授)
Hiroyuki Sekioka

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