JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
HAGAKI
研究者コラム

極楽の鳥
Birds in Paradise

 インターメディアテク十周年記念特別展示『極楽鳥』が1月20日よりオープンした。このタイトルはL’ECOLEによるジュエリー展の名称「Birds in Paradise」を踏襲した形だが、日本語タイトルとしては「極楽鳥」を当てた。生物種としての極楽鳥(フウチョウ)の英名はBird “of” Paradiseである。鳥担当として真っ先に考えたのは「宝石にも負けない鳥の美しさを」だった。次に、普段は収蔵展示室から出たことのない山階鳥類研究所所蔵標本を展示室に解き放つことができたら、であった。そして、「この機会に、インターメディアテク にあるオオフウチョウの標本を全部並べられたら」とも考えた。フウチョウは鳥の美の代表格であり、進化の驚異であり、発見の物語であり、人間が鳥に付与したイメージであり、乱獲と保護の歴史でもあるからだ。だからオオフウチョウ達、すなわちBirds of Paradiseがこの展示空間に解き放たれたなら、それはもう「天国にいる鳥たち」でいいんじゃないか、と思うことにした。Bird inと Birds ofで微妙に違うのは、そういう理由である。

松原始(東京大学総合研究博物館特任准教授)
Hajime Matsubara

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