JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
HAGAKI
研究者コラム

展示設営作業中

 Aves Japonicae7の設営が始まった。諸般の事情により、フライング気味である。7/13には標本だけは設置されているのだが、オープンは7/26だ。お許し願いたい。今回はそんなに珍しい鳥がいるわけではない。だが、日常的な鳥だからこそ取り上げられる話題もある。例えば「うぐいす色」問題。現在のうぐいす餅の色は、果たしてウグイスの色か? 花札に描かれている、梅の枝に止まった緑色の鳥は? あれはメジロじゃないのか? 昔の人はメジロをウグイスだと思っていたのか? 結論から言えば、ウグイスとメジロを混同していたなどあり得ない。どちらもポピュラーな飼い鳥であり、籠に入れて目の前で見ていたのだ。そんなことを考えながら黙々と展示台を置き、標本棚の隙間に体を突っ込んで標本を配置する。だが、棚板の切れ目の位置がうまくない。これはどうやって辻褄を合わせるべきか…… 絵の分量と、提示したい情報量の兼ね合いもある。こういうのは結局、現場で、現物あわせで悩むのである。

松原始(東京大学総合研究博物館特任准教授)
Hajime Matsubara

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