JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
HAGAKI
研究者コラム

展示企画進行中

 Aves Japonicae7の企画がまとまり、標本もなんとか当てがついた。今回は絵巻物一巻を全て見せる企画であるが、そうすると大問題が一つ。Studiolo内に展示台を並べて行う企画だが、その展示スペースが限られているのだ。この巻物は約16メートルの長さがあるとわかった。まずい、2回に分けても収まりきらない。キャプションを置くスペースなども考えると、3回に分けるしかあるまい。となると切れ目はここか。こうして1回目に公開する鳥が決まり、レイアウトの目算がついた。挨拶文を完成させ、何より、公開期日を決めなければならない。他の展示更新スケジュールも見ないと作業のバッティングが生じる。こうやって流動的な状況に対して仮決定を繰り返しながら、同時進行でプレスリリースと挨拶文を書き、個別のキャプションにかかる。まずはビンズイだ。絵には「田雲雀の一 又ヒンスイ」とある。タヒバリの一種という認識だ。だが、この絵は本当にビンズイなのか? ここからがやっと、鳥類学の出番である。

松原始(東京大学総合研究博物館特任准教授)

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