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HAGAKI
研究者コラム

出版計画再構築中(2)

 いずれ単行本にしたいと考えているもののひとつが「対談集」である。対談の中味は、まったくもってバラバラである。もちろん、誰か相手のいる話であるし、また場を設定してくれた出版社の都合もある。ということで、その都度ごと、テーマに一貫性がないのは致し方ない。しかし、それにしても、と改めて思う。かくも多様な分野に頭を突っ込んできたとは我ながら驚きではある。好奇心に富むとか、関心領域が広いとか。たしかに、そのように言えば聞こえは良い。が、ありていに言えば、対談企画を持ち込む出版社の意のままに、なにからなにまで無節操に引き受けてきたことの結果なのである。話相手を眼の前にもつことで、普段の自分と違った世界へと誘われる。そこが対談の面白いところである。また、どのような喋り方をしているのか、自分にとって反省の機会にもなる。ということで、是非とも出版したいと思うのであるが、多人数にわたる対談相手の許可が得られるかどうか。そう考えると、やはり気の滅入る仕事ではある。    
                                                                         西野嘉章(インターメディアテク館長、東京大学総合研究博物館特任教授)

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