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HAGAKI
研究者コラム

たかが展示、されど展示

 展示づくりに携り30年以上になる。「展示とは何だろう?」、こうしたことに自問自答する機会も増えた。展示は文字通り、展(ひら)き、示(しめ)すこと、つまり、しまい込んでいたり、畳んでいるものを表に出して露わにすることが基本である。そういう意味ではただ単に収蔵庫にある標本を展示室に持ち出して解説を施すことも展示である。しかしながら「展示」は見せ方如何によって観覧者に対する訴求力が大きく変わってくる。ある意図をもって(コンセプトといってもよい)伝えたいメッセージを最適な見せ方で展示すると、感じてもらえるものが大きく違ってくる。当館本館では「オープンラボ」と銘打った展示を行っている。収蔵がテーマであり、その導入部ではガラス張りの収蔵庫を象徴的に配置している。そこでは収蔵庫らしく雑然としながらも標本の存在感を高めるにはどうしたらよいか、そんなことをあれこれ構想した末のかたちを展示に仕立て配置している。

洪恒夫 (東京大学総合研究博物館特任教授)

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