JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク


特別展示『アヴェス・ヤポニカエ3――静と動のはざま』

2017.01.06-2017.04.09
STUDIOLO

 日本画には「粉本」と呼ばれる手本が存在する。特に円山派においては、眞写すなわち現物を前にしたスケッチが不可能な場合には、粉本を元にして絵を描く。この、現物に替わる「紙に描いた標本」となるものが粉本である。本展示では河辺華挙の編纂した「鳥類写生図」の中から一巻を紹介し、あわせて描かれた鳥の剥製標本を展示する。
 ここに示した絵は他の巻とは異なり、生きた鳥を素早くスケッチしたポーズ集である。標本の静的な正確さを踏まえた上で、このような動的な正確さを合わせ、鳥の絵は作品として完成する。
 一方、剥製は実物であるが故に、細部のリアルさは最初から保証されている。しかし、それが生きた鳥に見えるためには、造形やポージングが不可欠だ。すなわち、剥製標本もまた、静と動のせめぎ合いの中に存在するのである。

主催 東京大学総合研究博物館

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