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特別展示『東大醫學――蘭方医学からドイツ近代医学へ』

2014.03.19-2014.05.11
FIRST SIGHT

 東京大学に蓄積されている医学標本コレクションは、その量と質の両面において突出している。世界の有力な医学研究機関の有するコレクションのどれと比べても遜色のない、第一級の資料体といって過言ではない。それも当然である。明治10(1877)年の創学以来、東京大学の医学部には優秀な人材が集中し、他機関にまさる研究費が投入されてきたからである。しかし、医学標本の収集蓄積と維持管理は容易でない。関東大震災をはじめ、戦禍疎開や大学紛争など、数多の困難を乗り越え、国内随一のコレクションとして「現在」するまでに、管理にあたる先達たちがどれほどの労力と情熱を傾けてきたか、そのことに思いを致さねばならない所以である。
 ひとくちに医学標本といっても、内容は様々である。生体標本だけではない。人造模型や医療器具・実験用具など、教育や研究に供されてきた数多の資料があるからである。個人情報や人権尊重が叫ばれる時代となり、少なくとも国内では生体標本の一般公開が困難を来している。それに曳きずられ、模型や器具といった周辺史料を公開する機会も減っており、結果として医学史研究は衰退の一途を辿っている。
 本展の狙いは、日本における近代医学の歩みを、幕末から明治前半の医学遺産をもって再構成して見せることにある。東京大学大学院医学系研究科・医学部標本室、総合研究博物館資料部医学部門に分蔵されている医学系学術標本は、平成9(1997)年秋に東京大学創立120周年を記念して安田講堂で開催された特別展示「学問のアルケオロジー」で、その一部を公開したこともあるが、総合研究博物館研究部に収蔵されている「近代医家三宅一族コレクション」と併せ、近代医学黎明期遺産としてまとめて一般公開が実現するのは、今回が初めての機会である。

主 催:
東京大学総合研究博物館

協 力:
東京大学大学院医学系研究科
日本循環器学会
東京大学医学部・医学部附属病院「健康と医学の博物館」

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