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無題(東宮御所御写真)

1909(明治42)年/小川一眞撮影/2帙154枚、コロタイプ印刷、黒革製帙、木製外箱/田中儀一旧蔵品

概要

東宮御所(現迎賓館赤坂離宮、国宝)竣工時の写真。皇太子嘉仁親王(大正天皇)の住居として建設されたネオ・バロック様式の欧風宮殿建築。鉄骨煉瓦造、外壁石造。設計は片山東熊。当代一流の建築家、美術家、技術者等が結集し、十年もの歳月をかけて完成した。写真は建物外観、各室内装、浴室、廊下、地下設備など建物全体を網羅する。田中林太郎は当時最先端の暖房設備関連業務への尽力により本写真を下賜された。宮内庁書陵部には本写真とほぼ同寸のゼラチン・シルヴァー・プリントの写真帖が所蔵されており、白革製帙の上製版と黒革製の並製版があり、皇室に献上されたと推察される。本コロタイプ版は写真師小川一眞自身が製作し、関係者に頒布されたものであろう。小川は翌1910年に写真師として初めて帝室技芸員を拝命した。