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赤瀬川原平 大日本零円札発行所『零円札』

(a)/1969年/紙の両面に活版印刷/個人蔵

概要

お札は印刷物である。何万枚、何十万枚という単位で、一部の狂いもなくマス複製されたものが「真札」である。こうした貨幣経済システムの上に成り立つ、現代の日常的メカニズムの虚をついた赤瀬川原平の「模型千円札」は、1965年「通貨及証券模造取締法」違反にあたるとして起訴され、1970年に最高裁で有罪判決を下された。本品は赤瀬川が考案した「本物」の「零円札」であり、まさに「概念芸術」と呼ぶに相応しい。現在の美術マーケットでは「零円札」が高値で取り引きされており、市場はそれを歴史的に価値ある美術品として認定している。