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秋篠寺乾漆心木模刻

2008年/菊池敏正制作/檜、漆/個人像

概要

天平時代末期に制作された秋篠寺乾漆心木は、脱活乾漆像の心木の中でも特殊な構造を持つ作例である。一木造りによる作例が出現し始める時期でもあり、乾漆技法と木彫の関係性を示す構造になっている。角材を差し込む枘穴は非常に多く、角度も様々であり高度な木工技術の基盤がある事が解る。上膊部に一木彫像の背刳りに良く似た構造の内刳りがあり、腕の大部分は木心乾漆技法により制作されている。このような特徴から、脱活乾漆技法が衰退する背景には多くの技法が混在していた事を示す作例であり、木心乾漆技法成立の基盤には、木彫の存在が伺える。