JP Tower Museum INTERMEDIATHEQUE
HAGAKI
RESEARCHERS COLUMN

砂の時層
Strata Chronica

 2026年5月15日から参加型の記念イベントとして『砂の時層』が始まる。この『砂の時層』では、東京大学の研究者が関係各所で採取した砂を用いている。採取する海岸や町は同じでも、砂の様相は少し移動しただけで変化する。そして砂はその場所の環境や情報を静かに伝えてくれる。ゆっくりと対象に向き合うこと、そのことではじめて気づかされる物事がある。そうした時間をたずさえた砂の中から、参加者は心惹かれた砂を選びとり、大型ガラス瓶の中に入れていく。誰かが置いた砂の上の何処に自分の砂を置くのか、その選択はひとりひとりの感覚に委ねられる。横から見える積層と上から見える模様は日々変化していくだろう。訪れた人と時間の分だけ折り重なった砂は時を表す層となり、来館者と当館を繋ぐメディアとして保存され、次の時間軸へと引き継がれていく。

後藤朋美(東京大学総合研究博物館特任助教)
Tomomi Goto

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