JP Tower Museum INTERMEDIATHEQUE
HAGAKI
RESEARCHERS COLUMN

からだのかたち〈3〉
Body/Form 3

 東京では自粛期間が続いた2021年。来館者が少ない館内を随分と目にした一年であった。今年3月初旬より3期にわたる特別展示もとうとう最後の展示期間となり、12月15日より特別展示『からだのかたち〈3〉――東大医学解剖学掛図』がスタートした。一年を通して、解剖図における人体の描画表現について再考する場としてシリーズで開催してきた。学生時代、美術解剖学の講義中に教壇のスクリーンに映された解剖図を自分のノートにスケッチする時間があったことを思い出した。この解剖図を使っていた講義中にも学生はこの解剖図を写し描いていただろうか。過去のコラム「からだのかたち2」で書いたが、この解剖図は西洋の解剖図を縮尺を変えて見事に転写した手描きの絵図である。転写の元図になったであろう図に示されているある部位が、今回展示中の解剖図に無い図が1枚ある。発注時の指示であったのか、転写時に描き手が見落としたのかは今となっては推測の域を出ない。それを知った途端、その図のどこがどうなっているのか他の解剖図と照らし合わせて一生懸命観察した。何が大切か先人に教えてもらえた気がした。

上野恵理子(東京大学総合研究博物館特任研究員)
Eriko Ueno

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